2005年7月12日(火)12:16

EU拡大委員:「拡大プロセスは継続せねばならない」

ベルリン(AP)

欧州委員会のオリ・レーン拡大担当委員は、EU憲法をめぐる危機的状況の中でも拡大プロセスを継続するよう主張した。レーン委員は火曜日ベルリンでドイツのヨシュカ・フィッシャー外相との会談を終え、「私たちは自らの内政の失敗をEU拡大のせいにしてはならない」と述べた。レーン委員はルーマニア、ブルガリア、クロアチアの早期加盟という目標ならびにトルコとの加盟交渉の開始をあらためて強調した。

中東訪問を翌日に控えたフィッシャー外相はトルコのEU加盟希望について、「トルコの欧州帰属がどのような意味を持つのか理解できないのは先見性の欠如を示すものだ」。トルコの鼻先で扉を閉ざそうとする者は、その場合の負の影響についても覚悟しなければならない、と語った。外相はキリスト教民主同盟・社会同盟(CDU/CSU)の求める特権的パートナーシップについて、この案はトルコにとって加盟基準の達成に向けて努力するだけの魅力に欠けると批判した。

レーン拡大担当委員も「交渉の明確な目標はトルコの加盟である」と強調した。しかしこのプロセスは結果を約束するものではなく、自動的にトルコの加盟が実現するわけではない。法治国家や人権の遵守などの規準は守られねばならない。まだ道のりは長く険しい。「この道のりは目標と同じく重要である」、と委員は釘を刺した。レーン委員はまた秋の加盟交渉開始のタイムスケジュールも再確認した。「重要なのは私たちが交渉を開始することだ。」

フィッシャー外相とレーン拡大担当委員は、先週末のルクセンブルク国民投票のEU憲法批准承認を良いシグナルとして評価した。レーン委員は憲法をめぐる危機を踏まえて、「熟慮の期間」を設けるという合意も西バルカンの安定化に向けた努力を中止することを意味するものではないと語った。しかし一方で欧州市民の懸念に配慮する必要性も認めた。フィッシャー外相はスレブレニツァ大虐殺から10周年を迎えることに言及し、この地域の永続的平和のためにEUが果たす意義を強調した。

原題:Rehn: Erweiterungsprozess muss fortgesetzt werden




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